グラッパについて

グラッパは葡萄の果皮と、そこに含まれる芳醇な実と果汁(ヴィナッチャ)を原料に作られる北イタリア・ヴェネト州を原産とする蒸留酒です。

アルコール度数は38~43度とかなり高めですが、口当たりが軽やかな上に、蒸留した段階で既に鮮やかな香りと心地良い甘味があり、長期熟成を要さない為、非常に消化吸収されやすい理想的な食後酒として、専用の様々なショットグラスでストレート、またエスプレッソに数滴落として味わうのが中部以北のイタリアでは一般的な習慣です。

蒸留酒という点では、ブランディと非常に良く似ているのですが、「熟成」の期間がブランディとは大きく違います。

ブランディの場合は、樽から染み出るタンニンが長い年月をかけてブランディに琥珀色と芳醇な香りを与えるのですが、グラッパの場合は、短期間の熟成で葡萄本来の香りを残すのが特徴です。

そのため、大半のグパッパは“無色透明”です。日本では馴染みの薄いお酒なのですが、イタリアの家庭では、「いくら食べ過ぎても、このお酒を一口やっておけば大丈夫」といい訳しながら飲むケースが多いようです。
なお、グラッパは日本の酒税法上では〔ブランディ〕に該当します。

〈Francesco〉がイタリア・ヴェネト州のあるワイナリーで飲んだ美味し~い飲み方
エスプレッソコーヒーにスプーン3~4杯の砂糖を入れ、かき混ぜずにそのまま飲みます。
(飲み干しても当然カップの底には大量の砂糖が残っています)
次に、そのカップに“GRAPPA”を注ぎます。
そして、それを小指でクルクルッとかき混ぜてからジックリいただくのです。!(^^)!

ちょっと信じられない様な飲み方ですが、これが結構美味しくて、未だにこの飲み方を楽しんでいます。
ぜひお試しあれ~(^^♪

豆知識 - 前菜 ~Antipasto~

「この単語ってどういう意味ですか?」
「食べ方にマナーとかあるの?」と言った疑問や豆知識、わたくしシェフの修行時代の苦労話などをお話しちゃいます!また、疑問・質問は大歓迎です!

もちろんお店でお声をかけて下さってもOKですしメールで下されば、HP上にドンドンアップしていきます!みなさんにもっとイタリアの魅力を知っていただきたいです。(シェフ)

イタリア料理の献立の玄関が”アンティパスト”こと前菜です。
もともとマリネやハム類など、作り置きできてシンプルな物が多かったのですが、
最近は調理的に複雑で洗練され美しくおいしい物が主流になっています。
特に前菜は日本人好みですからこだわりたいところです。
“食は前菜にあり!”と私は感じております。
店名を”Antipasto”としたのはそういう理由です。
~今日はリストランテで優雅に食事を。明日はピッツァエリアで気軽に楽しく。
ジャンルにあわせて、いろいろな”食”の楽しみを与えてくれる。
それがイタリアン流です。~

パスタの種類と使い方

スパゲッティーの袋に”デューラム・セモリナ100%”と書いてありますが、これは小麦の一種です。硬質で琥珀色をしており、普通の小麦の原種と言われています。
そして、セモリナとは”粗びき”の意味。つまりデュラム小麦を粗びきした粉だけを
使ったパスタのことです。パスタはロングパスタ、ショートパスタ(マカロニ等) に分けられます。その種類は数百とも言われています。まずパスタの特徴、ソースとの相性をあげていきます。

カッペリーニ
カッペリーニ・ダンジェロ(天使の髪の毛)の略称。以前はスープに使うことが多かったが最近は冷製パスタとしてよく使われ、キャビアや魚介類を使ったソース、オイル系と相性がよい。
フェデリーニ
カッペリーニとスパゲッティーの中間にあたるパスタ。やはりさっぱり味のライトなソースが合う。
スパゲッティーニ
直径1.2~1.3mm。”ーニ”は細いの意味。オリーブオイルをきかせ、にんにくと唐辛子で作るアーリオ・オーリオ・エ ペペロンチーノなどに良く合う。この太さまでのパスタは基本的にオイルソース系のあっさり味とあわせると失敗がない。
スパゲッティー
直径1.6~2.2mm。”スパゲッティー”はひもの意味。基準は1.8mmですが、最近はやや細めの1.6mmタイプが主流。細めのものには繊細な味のソースが。太めのものにはクリーム系ソースやミートソース、重めなソースが良く合います。どんなソースにもあわせたいのであれば、1.9mmがBest!!当店のスパゲッティーは1.9mmです。歯ごたえを楽しむのならこれくらい欲しいですね!
ブガティーニ
2.5mmの穴のあいた太めのパスタ。濃いクリーム系のソースに良く合います。クリームチーズ系であれば1番のおすすめです!
リングイーネ
スパゲッティーを平たく押しつぶした形をしています。イタリア南部で多く使われています。生クリームやチーズなど、こってり系に良く合います。棒状パスタとはまた違った歯触りがします。この他に断面が楕円形のものはトレネッテ。長方形はキタッラと呼びます。ただしメーカーにより太さがまちまちなものもありますが…
ファルファーレ
蝶の形の愛らしいパスタ。ショートパスタの中では珍しくオイル系のソースから、クリーム系のどっしりとしたソースにも合います。茹でる際に形がくずれやすいのが特徴なので、丁寧さが必要となります。
マカロニ(マッケローニ)
管状のパスタの総称ですが、日本では短く切ったものがお馴染み。小振りなマカロニはスープの浮き実に。大きめのものは肉を使ったソース等にあえるのが一般的。ペンネと同じく溝のついたマッケローニ・リガーティも濃いめのソースがベスト。
コンンキリエ
“貝”の意味。大きなコンキリエには詰め物をしたり。小さなものは、スープの浮き実やサラダにも使ったりします。
オレッキエッテ
南東イタリアはプーリア地方によく見られるパスタ。”小さい耳”の意味。卵を使わないでセモリナ粉の生地で作るため独特の歯ごたえがあります。トマトソースにマッチ!
フジッリ
ねじった形をしていて意味は”糸巻き”。螺旋状になっているのが特徴です。応用範囲も広い。パスタでほうれん草やトマトを混ぜ込んだ色鮮やかなフリッジも人気料理の一つです。中には、このパスタをニョロニョロといっていた人もいます。何を隠そう、自分でした!(苦笑)今考えると現地で通じないのは当たり前でした。

サクッと書いてきましたが、ほんの一部。まだまだいろいろなパスタが存在します。
“アルファベット”は文字型のパスタ。”ステッリーネ”可愛らしい星形。
“クオレッティ”小さなハート形。など見た目も楽しいパスタなんかもあります!
また、長さや太さ形だけではありません。幅でも名前が違うんです。
“タリオリーニ”(幅2mm),”タリアテッレ”(幅4mm),”フェットチーネ”(幅6mm),
“パシパルデッレ”(幅8mm)といったかんじで名称が変わるパスタも数多くあります。

本場のイタリア人もパスタをフォークとスプーンで食べる?

「スプーンを使って食べなくてはいけない?」
お客さんにもよくこんな質問をされます。
それってマナーなのかと思っているあなた。そんなことはありません!

ここで豆知識ですよ!日本ではよく見かけますが…
本場イタリアではスプーンとフォークで食べる光景はあまり目にしません。
むしろフォークだけで上手にパスタを楽しんでいます。
そのフォークさばきは私達の箸さばきに匹敵します。
スプーンを使わなくてもマナー違反でないことはわかりました。
ここで現在私達が何気なく使っているフォークに焦点をあててみましょう。

もともとイタリアでは、パスタを手でつまんで食べるのが主流でした。
ナポリ王のころ、当時の国王フェルデナント?世は宮廷における乾燥パスタの正餐に
飽き飽きしていました。そして更に悩みの種が!
正餐には外国からの客人が多く訪れていました。
いくら習慣だからといって客人にパスタを手で食していただくのはどうしたものか?
かといって、当時のイタリアのフォークは刃が長く3本の鋭利な物でした。
これを口に入れることも危険では?このことに直面したスパダッチという人は、
悩んだあげく遂にひらめきました。刃先を短く、4本にすれば安全である!!

こうしてイタリアから4本歯のフォークが誕生しました。
彼がいなかったら、もしかするとあなたも手で食べていたかもしれませんね!
私たちがお箸を使うように、イタリア人がフォークさばきにたけているのもうなずけるはずです。

イタリア料理店の色々~リストランテ、エトセトラ~

リストランテ、トラットリア、ピッツエリア等、イタリアの食を支える多様な空間  日本では、料理を提供する場をレストランとひとくくりに呼んでいますが、イタリアではどんな料理を、どのようなスタイルで、またどのくらいの値段で提供しているかによって店の呼び名が違い、はっきりとその特徴がわかるようになっています。そうした業態の違いはたいていお店の看板にも書かれています。
お客として利用する側からすれば、その時々の目的に応じて、どの店を選んだらよいかがわかりやすく、大変便利です。
例えば、
リストランテ(Ristorante)、トラットリア(Trattoria)、ターヴォラ・カルダ(Tavola calda)、ピッツエリア(Pizzeria)、スパゲッテリア(Spaghettria)、オステリア(Osteria)、タヴェルナ(Taverna)、バール(Bar)、ホテルレストラン(Hotel restaurant)、アルベルゴ(Albergo)、ロカンダ(Locanda)等
たくさん分かれています。

まれにトラットリア・バールなど2つを組み合わせ、食事はもちろんコーヒー1杯だけの利用でもよいというような幅広い営業形態をとっているお店もあります。
トラットリアだけを謳っているお店はあくまで食事が中心!!で飲み物だけですませることができない場所なのです。

通常私達がレストランといっている言葉にあたるのがイタリア語ではリストランテ
料理、インテリア、サービスのスタイルなどいずれも最高級のクオリティを追求した店で日本料理の世界で言えば料亭にあたります。 もちろん値段もハイクラスですから庶民が気軽に利用できるものではなく特別な日のお食事として、あるいは仕事上の接待など言わば社交場として利用されることが多い所です。

これに対してトラットリアは少しラフでカジュアルな雰囲気が売りです。気軽に外食をするためのお店です。メニュー構成はリストランテと同じようにアンティパスト(前菜)から始まりプリモ・ピアット(パスタ、リゾット)、セコント・ピアット(魚介や肉料理)とコース料理がきちんと揃っています。コースでしっかり食べるお店なので、パスタだけやワインとアンティパストですませる注文は失礼にあたります。

逆に、ピッツァ、パスタだけを食べたい時にはスパゲッテリアピッツエリアとかかれた看板のお店へ。気軽に注文できます。日本で言うスパゲティー専門店、ピッツァ専門店と同じです。
実は、イタリアではことにピッツァは他の料理と一線を記していて、リストランテやトラットリアにピッツァをおいている所はほとんどありません。ピッツエリアにいかなければピッツァにありつくことができないのです。
料理を作る人をイタリア語でクォッコ(料理人)と呼びますが、ピッツァを作る人をピッツァクォッコ(ピッツァ職人)と呼ばれ別の職種になっているのです。ピッツァ職人はお客さんの前でパフォーマンスをしながら作ります。パフォーマンスも味のうちと考える人々が多いようです。

というように今回は軽くふれてみましたが、いかがでしょうか?
ちょっと馴染みのない私達はイタリアで迷ってしまいそうですね!?

VINO~豊穣なイタリアのワインの世界。1度は味わいたい地方の銘酒。

日本にもワイン通が増えてきたと言われますが多くはボルドー、ブルゴーニュなどのフランスワインに関心を寄せている様です。
イタリアのワインはとても優れているにも関わらず軽く見られがちですが、実は生産量、輸出量とも世界一!
イタリアンワインを知らずしてワインを語るなかれ!といったところでしょうか?

イタリアワインの生い立ちも全ての文化のはじまりと同じくローマ帝国に辿り着きます。
それまでは甘口が一般的でしたが、ローマ時代に辛口が飲まれるようになりました。
当時、庶民の間でもワインを飲む習慣はありましたが、その時代の著名人にも愛好家はかなりいた様です。ジュリアス・シーザーは祝宴を催すたびに数ある銘柄から何にしようかと悩み、雄弁家のキケロも数種類のワインを保存し、中には”100年もの”というヴィンテージまであったとか。西暦79年のヴェスヴィオ火山の噴火で命をおとした博物誌の著者で知られるプリニウスは全イタリアから195の優れた銘柄を選び出していますが、これは現在のD.O.C.に匹敵する数です。ローマ帝国の繁栄はワインの普及に一役買いました。フランスを始め、ヨーロッパ全土にワインの苗木を広め(日当たりのよい斜面を見つけると武器を置いて、苗木を植えるという光景も珍しくなかったそうです)

また醸造法も各地に伝授していったのです。フランス人はビールを好んでいましたが、たちまちワインの魅力にとりつかれ、独自の研究を重ねていきました。そのうわさを聞いた当時のローマ皇帝は逆にローマのぶどうを根こそぎ取るよう命じたというエピソードもあります。イタリアワインはその風土にあった製造法をかたくなに守り続けてきました。

現在ではワイン法により味と品質を保証しワイン選びの一つの指標とされています。
それが現在約200銘柄のD.O.C.、14銘柄のD.O.C.Gの保証付原産地統制ワインです。
(D.O.Cはぶどうの品種、生産地域、一定面積内生産量、アルコール分、総酸量、灰分、エキス分、塾生年限、品質の利き酒、科学分析による規定などによって生産が制限され全イタリアワインの約1割ほどの生産量です。D.O.C.G.は更に厳しい指定があり生産管理は政府機関が行っています。)

以上のように、イタリアワインの特徴はまず第一にその種類の豊富さです。
なにしろイタリアワインの生産者は13万軒!!そして瓶詰め業者は5万軒。
各社から数種類のラベルが生産されれば、”30万種”以上もあるといわれます。
国土が南北に長いため、同じイタリアワインでも北と南では全く違う個性を楽しめます。

フランスワインに比べて軽いとか香りに欠けると言われますが、ボルドーやブルゴーニュの銘醸ワインに負けない深い味わいのモノが数多くあります。イタリアならではの地方色が感じられるのも楽しみの1つです。
またヨーロッパの他の国よりも加酸や加糖・アルコール添加等が厳しく規制されているので、よりナチュラル。健康志向のアメリカ人が好むのも納得です。更にコストパフォーマンスが良いことも人気の理由です。豊穣なイタリアワインの世界、地方の銘酒の数々。
みなさんも是非1度は味わっていただきたいです。